ミニ講話 宮司のいい話
NO.199  死んだらどうなる
     神道では、人間が死ぬと、すべて神になると考えています。これは、私たちの魂は神から頂いた、神の分け霊、分霊と考えるからです。神の分霊なんだから死んで霊界に帰れば神に戻ると考える訳です。

     魂は神の分霊であり、肉体は魂の器として、大自然から授かった物と考えます。死後、肉体はダビに付され、お骨となって、大地に還りますが、魂は神の元へ還っていきます。神の分霊としての魂は、人となってこの世に修行のために生まれてきます。生まれた時の魂は清らかですが、長い人生を送っている内に、自分の我儘や人間関係のしがらみ等によって、神のみ心から外れてしまった分、汚れとして魂にこびりついてしまいます。我儘が強く反省心の少ない人は、たくさんの汚れを魂につけてしまいます。死後の魂は、この世で汚れてしまったまま帰っていくのです。その汚れを見た神様は「ずいぶん汚して帰ってきたな。霊界で修行し、汚れを落としなさい」とご命令されます。汚れの少ない魂は、修行の度合も少ないのです。霊界での修行とは、現世での行いや考え方を神のみ心と照し合わせて反省することです。あの一言で人を傷つけてしまった、済まなかった。とか、あの行動によって迷惑を掛けてしまった、悪かったな。等と反省することです。反省することによって汚れは落ちていくのです。しかし、神のみ心を知らなければ、自分の行動や考えは一番であって、自分が良いと思っているのだから何も悪い所がないと考えてしまいます。それでは反省が生まれません。

     この世で肉体を維持するためには、どうしても、食べたり、着たり、住む処も必要です。そこに欲が生まれてきます。おいしい物を食べたい、きれいな物を着たい、良い家に住みたい、たくさんお金が欲しい、人の上に立ちたい、名誉が欲しい等、欲望は際限なく高まっていきます。欲望は動物の本能ですから、人間として仕方のない部分はあると思います。しかし、人間には他の動物にはない理性が働きます。この理性が神の心なのです。

     本能に負けて、欲望に走ると、金銭や物質、名誉や地位に執着してしまいます。執着心を切り捨てることが反省であり、修行となるのです。この世で執着心を切り捨てることを学ばなければ、あの世では学ぶことができず、いつまでも執着の心を持ち続け迷いの魂となってしまいます。執着の心が強すぎて、どうしても放すことができない霊が、自縛霊となってあの世に行けず、この世の人に助けてもらおうとして、霊となって現れるのです。この世に出てくる霊は、何かの執着の心を切り離すことができず、神の元、仏の元へ行けず迷っている霊なのです。

     信仰心のある人は、この世で良い人生を追求する教えを学んでいます。神の心、仏の心を勉強し、教えを実践しようとすることが信仰心です。だから信仰心のある人はどんな宗教であれ、良い人生を歩もうとする努力をあの世に行ってもできるのです。そして迷うことなく、自分の信じる霊界へ行き、魂の修行ができるのです。

     私たちが死ぬと肉体と魂は別々になります。死んでまもない魂は、霊界での初心者、若葉マークの霊であると思います。肉体と魂が離れても実感として分からない時期、まだ死を認められない霊なのです。病気やケガで足を切断した人が、ないはずの足がかゆくなったり、痛くなったりすると聞きますが、そのような、まだ肉体のあった頃の感覚が離れられないでいる時期が若葉マークの霊であろうと思います。肉体の感覚が残っている内は、この世での執着心も残っているのです。

     「自分は死んでしまったのか。それではもうこの世にはいられない。神の世界、仏の世界、御先祖様の世界へ還ろう。そして、魂の修行をして、神となって子孫を守っていこう」と決心したならば、執着心も切れて、迷うことなく霊界へ行くことができるのです。

     この世で生きていた「魂」、「心」、あるいは「精神」という物は、肉体がなくなっても永遠に生き続ける物です。魂はこの世での修行のために、生まれてきたのです。この世でそれぞれが経験する苦しいこと、つらいこと、悲しいこと、さびしいことなどを乗り越えていくことが魂の修行です。それぞれの人生であっても、あなただけに与えられた修行なのです。ですから、どんなつらいことであっても、乗り切ることのできない物は与えられていないのです。あなただからこそできることなのです。

     それをつらいからといって自からの命を断ってしまった人は、修行を途中で止めてしまったことになります。自殺は何の解決にもなりません。しっかりと自分の人生の難関と向き合い、乗り越えていかなければなりません。それが自分の魂の修行となり、永遠に迷わず生き続ける魂となります。これが神道の死後観です。


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