ミニ講話 宮司のいい話
NO.187  見る・聞く・知る
     神様って、どんなお働きをされるのかナーと考えてみました。神様のお働きには色々ありますが、こんなお働きもあります。それは、

     一、見そなわす

     二、聞こしめす

     三、知ろしめす

     というお働きです。

     見そなわすとは、見てくださるという意味で、私たちの行い、行動をすべて神様は見てくださるというお働きです。

     聞こしめすとは、聞いてくださるという意味で、私たちの悩みや苦しみや願いをすべて神様はお聞きくださるというお働きです。

     知ろしめすとは、知ってくださるという意味で、私たちの考えや悩み、そして私という存在そのものをすべて神様は知ってくださるというお働きです。

     私たちは、自分の母親や父親に甘えます。そして大きな親の愛情に包まれて安心して生活し、成長していくことができるのです。親は自分を可愛がってくれる、大切にしてくれる、自分をいつも見守ってくれる、そして、自分を一番良く知ってくれている。そんな思いが安心となって、子どもは伸び伸びと成長していくことができるのです。しかし、自分を産んでくれた親は、やがて自分より先に死んでしまいます。親が死んでしまえば甘えることができません。

     神様は人間を始め、大宇宙のすべての物を作られた宇宙の親です。神様は、永遠に私たちを見守ってくれます。神様が見ていると思うから、私たちは悪いことができないのです。その反対に、人が見ていようが、見てなかろうが関係なく、神様が見てくださっていると思うから、良い行いをすることができるのです。神様が見てくださる。私たちの声を聞いてくださる。何でも知ってくださると思うから、私たちは安心して生活できるのではないでしょうか。

     この神様のお働きは、人間関係においても大切なことです。私たちは一人では寂しいのです。常に誰かに自分を見てもらいたい、話すことを聞いてもらいたい、自分の存在を知ってもらいたい、と願うものです。ですから、人の上に立つ人、人を使う立場にある人は、「見る・聞く・知る」ことをしっかりとできなければ、良き指導者とはなれません。

     例えば、社長さんや何かの組織の長になる人は、社員や組織の人達をよく知らなければなりません。自分の見える範囲、聞こえる範囲だけで評価したのでは判断を誤ってしまうこともあるでしょう。陰となり土台となって一所懸命働いてくれる人達が評価されなければ、私たちのことは全然考えてくれないと不平不満の気持ちになってしまいます。その反面、隅々の人達にまで気を配れば、私達のことまでちゃんと分かっていてくれる、と喜び、陰ひなたなく働いてくれます。平等に心を配らなければ人は付いてきません。

     私が神道大教の本部に務めていた頃、本部神社の裏で一人草むしりをしていると、当時の品田管長がヒョッコリ様子を見に来てくれました。何かとても嬉しい気持ちになったのを今でも覚えています。そして、何かの折りに私のことを「蔭日向なく一所懸命働く人です」と、評価してくださったのです。自分を見てくださる、知ってくださることは、使われる者にとってはとても嬉しいことです。

     見てくれる、聞いてくれる、すべてを承知してくれていると思えば、その人のために一所懸命尽くそうとします。神様のお働き「見る・聞く・知る」ことをしっかり行っていけば、よき指導者として人は付いてきます。

     人生において、また対人関係において、一番悩むのが、自分を見てくれない。自分の話を聞いてくれない。自分を理解してくれない。という不満から悩み苦しみが生まれてきます。

     仏教でおなじみの観音様がいらっしゃいます。観音とは「観る・おと」と書きます。音とは私たちの声のことです。ですから、私たちを良く見てくださる、私たちの言うことを良く聞いてくださる、というのが観音様のお働きなのです。

     神道は古い言い方で、「惟神」といいます。ながらは「昔ながら」とか「生まれながら」と同じような意味で、同じ状態にあることを意味します。ですから、「かんながら」とは、神様の御心と同じく生きるということです。それが神道なのです。

     神様のお働き、「見そなわす・聞こしめす・知ろしめす」を見習って、分け隔てなく平等に見ることができ、聞くことができたならば、本物を知ることができるようになります。周りの人達に幸せと安心と生きがいを与えていけるように、正しく見る、正しく聞く、正しく知ることを心掛けたいものです。


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