ミニ講話 宮司のいい話
NO.140  苦 労
     皆さんは苦労をしたことがありますか?

     とても困ったなーと思ったことがありますか?

     大変なことを経験したならば、小さなことは気にならなくなってきます。

     例えば、親や兄弟、親友など、とても頼りにしている人が死んでしまった時、とても悲しく大きなショックを受けます。そのショックや悲しみに比べると、普段自分が悩んでいたり、苦しんでいたことがどうでも良くなってきます。

     大きな苦しみを経験すると、小さな苦しみは気にならなくなってくるのです。

     皆さんは、スポーツ等の練習で一所懸命努力して、ガンバって上達し、いい成績をおさめたことはありませんか?

     何かの目的に向かって自分が努力をして目的に近づいた時、目的に近づいた分だけ、自分が大きくなれたような気になったことはありませんか?

     今まで自分が生きてきた人生を振り返って思い出してください。大きなことでも、小さなことでも、いろいろ困ったことや、苦しんだことや、悲しいことや大変な出来事を経験していると思います。

     そうした苦労を乗り越えた時、その体験が自信となって自分を成長させてくれるのです。ですから、苦労の多い人ほど、人間的に心の大きい人です。苦労をしていない人は、体は大きくても、心は子どものままで成長していない人です。

     何か困った時、あるいは自分が失敗してしまった時、その困ったことや失敗してしまったことから自分が逃げてしまってはいけません。人のせいにしたり、自分は絶対に間違っていないと強情をはって責任逃れをしたのでは、苦労を乗り越えることはできないのです。それは苦労を放棄してしまっているのです。

     苦しみを体験して、それを乗り越えることによって自分が成長していくのです。苦しみや、思い通りにいかないことは、自分の心を成長させてくれる栄養なのです。だからたくさん苦労をしなければなりません。イヤなことから逃げてしまってはいけないのです。

     もし、あなたが運転して、デパートの駐車場でよその車に間違ってぶつけてしまい、誰も見ている人がいない時、あなたならどうしますか?

     逃げてしまいますか?

     それではいけません。イヤなこと、大変なことでも自分の責任から逃げてはいけないのです。その車の持ち主を捜し、謝り、弁償をしなければならないのです。いくら人が見ていなくても、悪いことをしたことは自分が一番良く知っているのです。自分に嘘はつけません。いつまでも後悔が残り、心の傷となるのです。

     悪いことをして、チョッとは悪いと思っても反省もせずすぐに忘れてしまう人は、心が病気になっているのです。悪いことを悪いと思えない、人を困らせても悪いと思わない、自分だけ良ければそれでいい、それは、自分の心の良心、良い心が育っていないのです。それでは、社会の一員として、大勢の人達と一緒に仲良くやっていけません。社会からはみ出してしまうのです。

     だから、どんな小さなことでも、自分の責任から逃げてはいけません。小さな責任から逃げる者は、やがて大きな責任からも逃げてしまうのです。

     人が見ていようと見てなかろうと、自分自身が見ているのです。自分の心の良心、よき心が見ているのです。自分の良心に嘘をつくことなく、自分の責任から逃げることなく、たとえつらいことでも大変なことでも、恥ずかしいことであっても、責任を果たさなければならないのです。

     そして責任を果たすことができた時、自分の心が成長していくのです。自分の責任から逃げては、心の成長はありません。ですから、駐車場で車をぶつけた時も逃げずに自分の責任を果たさなければならないのです。

     ことわざに、「若いときの苦労は買ってでもしろ」とあります。お金を出してでも進んで苦労をしなさいと教えているのです。

     苦労は心の栄養と思えば、たくさん栄養を取った方が、心が大きくなり、大きな苦難も乗り越えられる立派な人間となっていくのです。

     年を取ってからの苦労は身にしみて大変です。若い時は、元気も知恵も体力もあります。ちょっとくらいの苦労ではヘコタレません。だから若い内にどんどん苦労して、心を鍛えておく必要があるのです。

     どんどん苦労をしましょう。苦しいこと、辛いこと、イヤなこと、恥ずかしいことに正々堂々とぶつかっていきましょう。そして乗り越えていきましょう。人間としての魅力が備わってきます。



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