ミニ講話 宮司のいい話
NO.138  最高の親不幸
    新聞やテレビを見ていますと、大学生が交通事故で亡くなったり、中学生や高校生が自らの命を断ってしまったり、何らかの事件に巻き込まれて殺されてしまったりなど、若い人が亡くなってしまうニュースが毎日のように報道されています。

     もし自分の子どもがそのような事故や事件によって死んでしまったら、と考えると胸がいたくなってきます。どれほど亡くなられた人のご家族が悲しんでいることでしょうか。

     最高の親不孝って何だと思います?

     それは、親よりも先に死んでしまうことです。我が子に先立たれた悲しみほどつらいものはないのです。

    よく子どもが言います。「俺は死んでやる」「私なんか生まれてこなければ良かったんだ」。どれほど、親を傷つける言葉でしょうか。子どもが死んで喜ぶ親などどこにもいません。子どものためなら自分が死んでもいいと思う親は、たくさんいます。そんな親の愛情に守られて、子どもは成長しているのです。

     自分だけで大きくなった気持ちになってしまうと、「こんな親は大嫌いだ」とか「親なんて早く死んでしまえばいいんだ」とか「早く大人になって家を出て行きたい」など、自分勝手なことを思ってしまうのです。

     しかしどうでしょう。自分の家の中や、自分の部屋の中を見渡してみと、自分が使うために用意されているものがたくさんあります。ベットもタンスも机も本も下着や衣類も、玄関には自分の靴がたくさんあります。顔を洗えば、歯ブラシもクリームもブラシもあります。そこには自分の居る場所がちゃんとあるのです。これ等は皆、自分が働いて買ったものでしょうか。ほとんどは、親が自分のために買って与えてくれた物です。愛情がなければできません。恋人や好きな人にはプレゼントをしたいと思いますが、嫌いな人には決してプレゼントをしたいとは思いません。

     自分の身の回りを改めて良く見ると、親の愛情に包まれて生活しているんだなーと良く分かると思います。

     親はつい口うるさくなってしまいます。それは我が子が大切だから、事故に遭わないだろうか、ケガをしないだろうか、病気にならないだろうか、友達とうまく付き合っていけるだろうか、人に迷惑を掛けないだろうか、困りはしないだろうかなどと、いろいろ先々を考えて心配して、口うるさく言ってしまうのです。

     口がうるさければうるさいほど、親の愛情が深いと思ったほうがいいですよ。しかし子どもとしては「うるさい親は大嫌い」「自分を自由にして欲しい」と思ってしまいます。子どもはいつも何かに挑戦しています。危険と感じる危ないことにも、不良と思われてしまうことにも、自分なりの挑戦をしています。

     そして、挑戦と体験の繰り返しによって、少しずつ大人に成長していくのです。少しずつ体験していく。少しずつ成長していく。この少しずつが大切なのです。

     一遍に大きな挑戦をしてはいけません。子どもは恐ろしいこと、怖いことの経験が少ないから、死ぬことへの恐怖とか事故を起こすことへの不安とか、事件、犯罪に巻き込まれてしまうことへの恐ろしさが分かりません。だから、車やバイクを運転する時、スピードの限界に挑戦したり、俺は絶対に事故を起こさない、という運転技術の過信によって無謀な運転をして事故を起こしてしまったりするのです。

     そんなことで、大切に育ててきた愛する子どもに死なれては、親はたまりません。大好きな者、一番大切な者を失いたくないから、親は子どもにうるさく言うのです。

     『一番の親不孝は親より先に死ぬことです』

     「一番の親孝行」は何だと思います?

     それは、毎日毎日を元気で楽しく、一所懸命人生を生きている姿を見せてくれることです。親に心配を掛けないように、安心させてあげることが最高の親孝行なのです。

     自分に子どもができて親になった時、初めて親のありがたさが分かるといいます。自分のことだけしか考えられない時は、親の気持ちなど全然分かりません。自分の好きなことだけをどうしたらできるか、それしか考えていません。

     いくら注意をしても、反発ばかりして、ちっとも聞いてくれなければ、親は注意するのを止めます。これは子どもを見放したのではなく、子どもが少し大人になって、親の話を聞いてくれるようになるまで、じっとガマンをして待っているのです。いつ気が付いてくれるか、待っているのです。決して見放してはいません。

     親はいつでも子どものことを真剣に考えているのです。親ほどありがたいものはありません。

    親に反発ばかりしている人。こんな親の気持ちを分かってくださいネ。


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